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【大人の教養】知っておきたいお酒の種類【全83分類一挙解説】

お酒・BAR
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こんばんは。Bartender’s Legacy管理人のYUICHIです!

この記事では、お酒の種類と細かい分類について解説します。

お酒の定義

日本の酒税法では、以下のように定義されています。

酒類とは、アルコール分1度以上の飲料をいう。

また、この場合のアルコール分は以下のように定義されています。

アルコール分とは、温度15℃の時の原容量100分中に含有するエチルアルコールのことをいう。

管理人 YUICHI

つまりアルコール度数1%以上のものがお酒と定義されている。

お酒の分類

お酒は製法上の違いから、大きく分けて以下の3種類に分類されます。

【お酒の分類】

  • 醸造酒
  • 蒸留酒
  • 混成酒

①醸造酒

醸造酒とは、原料中の糖質を酵母の力で醗酵させてつくるお酒のこと。

【代表例(主な原料)】

  • ワイン(ブドウ)
  • シードル(リンゴ)
  • ビール(麦、その他穀物)
  • 日本酒(米)

醸造酒の中でも、ブドウやリンゴなど糖質そのものを含む原料からつくられるものを単発酵酒と呼ぶ。
麦や米などデンプン質を含む原料からつくられるものは複発酵酒と呼ばれ、酵素によりデンプンを糖質に変えてから発酵が行われる。

アルコール度数は、おおよそ20%以下でつくられる。

②蒸留酒

蒸留酒とは、発酵によってできたお酒をさらに蒸留してつくるお酒のこと。

【代表例(主な原料)】

  • ウイスキー(麦、その他穀物)
  • ブランデー(ブドウ)
  • ウォッカ(穀物)
  • ラム酒(サトウキビ)
  • 焼酎(芋、麦など)

蒸留することでアルコール分を凝縮させ、度数の高いお酒になる。

③混成酒

混成酒とは、醸造酒や蒸留酒をベースに、果実・香草・スパイスなどから香味を移し、糖分を加えるなどしてつくるお酒のこと。

【代表例】

  • リキュール
  • ベルモット
  • サングリア

醸造酒

糖質を発酵させてつくるお酒が醸造酒でした。
醸造酒にはどのようなお酒があるのか見ていきましょう!

ワイン

ワインは、一般的にはブドウを醗酵させてつくったお酒を指す。
しかし広義には、果物全般からつくられるお酒をワインといえる。

ワインはさらに以下の4種に分類される。

【ワインの分類】

  1. スティルワイン(非発泡性ワイン)
  2. スパークリングワイン(発泡性ワイン)
  3. フォーティファイドワイン(酒精強化ワイン)
  4. フレーバードワイン(混成ワイン)
①スティルワイン(非発泡性ワイン)

炭酸ガスを含んでいないワイン。
一般的な赤ワイン・白ワイン・ロゼワインがこれに当たる。

②スパークリングワイン(発泡性ワイン)

炭酸ガスをワイン中に溶かしたワイン。地域によって呼び名が変わる。
シャンパン(フランス)、カヴァ(スペイン)、スプマンテ(イタリア)などが有名。

③フォーティファイドワイン(酒精強化ワイン)

ワインにアルコールを加えて保存性を高めたワイン。
代表的なものは、ポートワイン(ポルトガル)、シェリー(スペイン)、マデイラ(ポルトガル)。

④フレーバードワイン(混成ワイン)

スティルワインに香草や果実などを加えて仕上げるワイン。
香草系のベルモット(イタリア)、果実系のサングリア(スペイン)が有名。

一口にワインと言ってもたくさんの種類があります。

ビール

ビールとは、大麦麦芽•水•ホップを主原料として醗酵させてつくるお酒を指します。
歴史は古く、紀元前4千〜3千年前まで遡るといわれ、現在でも世界で最も飲まれている酒となっています。

ビールはさらに①酒税法での分類 ②発酵方法(使用酵母)による分類 ③色による分類などで大別されます。

■酒税法での分類

【①酒税法での分類】
・ビール
・発泡酒
・第3のビール(新ジャンル)
・ビール

麦芽•水•ホップのみを使用したもの。もしくは指定された副原料(米、スターチ、果実等)を加え、かつ麦芽使用率が50%以上のもの。

・発泡酒

麦芽使用率が50%未満のもの。もしくは指定原料以外のものを使用した場合。

・第3のビール(新ジャンル)

麦•麦芽以外の穀物や豆類を主な原料とする。もしくは別のアルコール(スピリッツ等)を添加してつくった場合。

■醗酵方法(使用酵母)による分類

【②発酵方法(使用酵母)による分類】
・下面発酵ビール
・上面発酵ビール
・下面発酵ビール

下面発酵酵母を使用し、低温(5〜15℃)で発酵させる。日本のビールは大体こちら。

・上面発酵ビール

上面発酵酵母を使用し、常温(18〜25℃)で醗酵させる。ホップの苦味や香りが強く出る。
代表的なものでは、エールビールと呼ばれるビールはこちらに分類される。

■色による分類

【③色による分類】
・淡色ビール
・濃色ビール
・淡色ビール

一般的な黄金色のビール。

・濃色ビール

黒ビールなど。麦芽を乾燥させる工程で、高温•長時間かけて焦がした麦芽を使用する。

ちなみに「生ビール」というのは加熱殺菌を行わないビールを指します。

日本酒(清酒)

日本酒とは、米•米麹•水と、酵母や醸造アルコールなどの副原料をつかってつくるお酒のこと。
弥生時代の頃からつくられていたと言われている。

日本酒は、製造方法により以下のように分類できる。

【日本酒(清酒)の分類】

  • 普通酒
  • 本醸造酒
  • 純米酒
  • 吟醸酒
  • 大吟醸酒
  • 純米吟醸酒
  • 純米大吟醸酒
・普通酒

米•米麹•水に醸造用アルコールを添加してつくられる日本酒。
値段が安いのが特徴。

【醸造用アルコールとは】
穀物や糖蜜を原料に、発酵•蒸留してつくるアルコール。
保存性の向上、あっさりとした味に仕上げるなどの効果がある。
・本醸造酒

精米歩合70%以下の米•米麹•水、醸造用アルコールを原料としてつくられる日本酒。
使用する醸造用アルコールは、白米の重量の10%未満。風味が調整され飲みやすく、比較的安価で買える。
中でも特に品質が優れているものは「特別本醸造酒」と言われる。

【精米歩合とは】
白米の精米された割合のことで、米の表面を削り(磨き)残った部分の割合を表す。
米の外側に雑味が集中しているため、一般的には精米歩合の低い(外側を多く削った)方が品質が高いと捉えられる。
・純米酒

米•米麹•水のみでつくられる日本酒。
濃厚な味わいのものが多い傾向にある。

・吟醸酒

精米歩合60%以下の白米•米麹•水、醸造用アルコールを原料とし、吟醸造りという特別な製法でつくられる日本酒。
りんご•バナナ•メロンのようなフルーティーな香りが特徴。

【吟醸造りとは】
「吟味して醸造する」という意味。
一般的には、低温でゆっくり醗酵させる、特別な酵母を使用するなどのつくりかたをする。
・大吟醸酒

精米歩合50%以下の白米•米麹•水、醸造用アルコールを原料とし、吟醸造りでつくられる日本酒。

・純米吟醸酒

精米歩合60%以下の白米•米麹•水のみを使用してつくる吟醸酒。

・純米大吟醸酒

精米歩合50%以下の白米•米麹•水のみを使用してつくる吟醸酒。
以上の分類の中では最も高級な種類。

個人的には純米吟醸が一番好き。
日本酒飲むのがはじめての方でもムリなく楽しめると思う。

その他の醸造酒

・黄酒(ホアンチュウ)

黄酒とは、中国で米を主原料につくられるお酒。紹興酒などが有名。
甕(かめ)で熟成を行うのが特徴で、特に長期熟成のものは「老酒(ラオチュウ)」と呼ばれる。

・シードル

シードルとは、りんごを原料につくられるお酒で、フルーツワインの一種。炭酸ガスを含むものと含まないものがある。
シードル(Cidre)はフランス語で、英語ではサイダー(Cider)と言う。

・ミード

ミードとは、はちみつを醗酵させてつくられるお酒。
はちみつと水を混ぜて放置すると自然醗酵によりアルコールが生成されるため、人類最古のお酒とも言われている。

蒸留酒

発酵によってできたお酒をさらに蒸留してつくるのが蒸留酒でした。
蒸留酒にはどのようなお酒があるのか見ていきましょう!

ウイスキー

ウイスキーとは、麦芽や穀物を原料として醗酵•蒸留し、樽で熟成させたお酒。
12世紀頃からつくられはじめたが、現在の形になったのは19世紀に入ってからだという。

ウイスキーはさらに ①原材料による分類 ②産地による分類で大別されます。

■原材料による分類

【①原材料による分類】

  • モルトウイスキー(シングルモルト)
  • グレーンウイスキー
  • ブレンデッドウイスキー
  • ヴァッテッドモルト(ブレンデッドモルト)
  • ライウイスキー
  • コーンウイスキー
・モルトウイスキー(シングルモルト)

大麦麦芽(モルト)のみを原料としてつくられたウイスキー。
風味が強く、生産者(蒸留所)ごとの個性が出る。
ひとつの蒸留所のみでつくられるモルトウイスキーを「シングルモルト」と呼ぶ。

・グレーンウイスキー

トウモロコシやその他穀物などでつくられるウイスキー。
モルトウイスキーに比べて、個性が弱く高アルコール。大規模な生産体制で工業的につくられる場合が多い。

穀物のデンプン質を糖質に変える酵素を含むため、グレーンウイスキーにも多少大麦麦芽が使用されます。

・ブレンデッドウイスキー

モルトウイスキーとグレーンウイスキーをブレンドしてつくられるウイスキー。
個性の強いモルトに対して、安定した品質を維持したり、新たな嗜好に合わせた味をつくれるのが特徴。

・ヴァッテッドモルト(ブレンデッドモルト)

複数の蒸留所でつくられたモルトウイスキーをブレンドしたウイスキー。

・ライウイスキー

原料比率51%以上のライ麦を含む穀物を原料としてつくられるウイスキー。
主にアメリカでつくられる。

・コーンウイスキー

原料の中でトウモロコシを80%以上使用してつくられるウイスキー。
主にアメリカでつくられる。

■産地による分類

ウイスキーは産地によって製法や主な原料に違いが見られる。
中でも主要な5ヶ国を区別した「世界の5大ウイスキー」が有名。

【②産地による分類】

  • スコッチウイスキー
  • バーボンウイスキー
  • アイリッシュウイスキー
  • カナディアンウイスキー
  • ジャパニーズウイスキー
・スコッチウイスキー

スコッチウイスキーは、スコットランドで製造されるウイスキーの総称。
麦芽を乾燥させる際に使用されるピート(泥炭)に由来するスモーキーな香りが特徴。

100箇所を超える蒸留所があり、ウイスキーの本場として知られている。
蒸留所ごとの個性があるシングルモルト、もしくはブレンデッドウイスキーとしてリリースされているものが多い。

・アメリカンウイスキー(バーボンウイスキー)

アメリカンウイスキーは、アメリカで製造されるウイスキーの総称。
原料には主にトウモロコシが使用される。

その中でもバーボンウイスキーは、アメリカ ケンタッキー州で主につくられるウイスキーで、51%以上のトウモロコシとその他穀物を使用してつくられる。
また、内側を焦がした新樽で2年以上熟成させるなどの独自の取り決めがある。

アメリカ テネシー州でつくられるウイスキーは、特別に「テネシーウイスキー」と呼ばれる。
※法律上はバーボンウイスキーと同じ扱い。
テネシーウイスキーは、熟成前にサトウカエデの木炭で濾過する(チャコール•メローイング製法)のが特徴で、この工程によりまろやかな味わいに仕上がる。

・アイリッシュウイスキー

アイリッシュウイスキーは、アイルランドでつくられるウイスキーのこと。
世界で最も歴史の古いウイスキーと記録されている。

原料として未発芽の大麦を使用したり、通常よりも多い3回の蒸留でつくられるなどの特徴がある。
主にブレンデッドウイスキーだが、シングルモルトもある。

・カナディアンウイスキー

カナディアンウイスキーは、カナダでつくられるウイスキーの総称。
ライ麦主体のウイスキーと、トウモロコシ主体のウイスキーをブレンドしてつくられるのが特徴。ライトな酒質でマイルドなものが多い。

・ジャパニーズウイスキー

ジャパニーズウイスキーは、日本でつくられるウイスキーの総称。
スコッチウイスキーに似たタイプだが、スモーキーさは比較的抑えめ。
シングルモルトやブレンデッドの他に、グレーンウイスキーやワールドブレンデッドウイスキーなどが製品化されている。

2021年4月から、新たなジャパニーズウイスキーの表示基準が制定された。

【ジャパニーズウイスキーの定義(抜粋)】
①原材料は、麦芽•穀類•国内採水の水のみを使用。
②糖化•発酵•蒸留は、国内の蒸留所で行う。
③700リットル以下の木樽に詰めて、国内で3年以上貯蔵する。
④色調整のため、カラメルの使用は○

ブランデー

ブランデーとは、ブドウを原料として発酵•蒸留してつくられるお酒のこと。
または、ブドウ以外の果実を原料としても呼び名として〇〇ブランデーと付けられる。

■フランス 2大ブランデー産地

ブランデーの中でも特に有名なのは、フランスの2大産地でつくられるコニャックとアルマニャックだ。

【フランス 2大ブランデー産地】

  • コニャック地方
  • アルマニャック地方
・コニャック

コニャックは、ブランデーの中でもフランスのコニャック地方でつくられ、ブドウ品種•蒸留法•熟成表示などの厳しい規定をクリアしたものを指す。

V.S.O.Pなどの独特な表示は、熟成期間を表す。(※コニャックの熟成期間は本来「コント数」という独自の単位で表されますが、おおよそ下図のようになります。)

【コニャックの熟成期間表示】
スリースター、V.S.:2年以上
V.S.O.P:4年以上
ナポレオン:6年以上
X.O.:10年以上

熟成年数は、ブレンドされた原酒の中で最も若いものの熟成年数を表示します。

・アルマニャック

アルマニャックは、フランスのアルマニャック地方でつくられるブランデーのこと。
コニャックと同様に厳しい規定がある。

アルマニャックは一般的に、野性味がありコニャックよりも男性的なブランデーといわれる。
また、熟成期間の表示がコニャックとやや異なるので注意。

【アルマニャックの熟成期間表示】
スリースター:1年以上
V.S.:2年以上
V.O.、V.S.O.P:4年以上
ナポレオン、X.O.:5年以上

■その他のブランデー

・マール、グラッパ

ワイン用に絞ったブドウの残りかすを蒸留してつくるブランデー(かす取りブランデー)。
フランスでは「マール」、イタリアでは「グラッパ」と呼ばれる。
マールは樽熟成を行うものが多いが、グラッパは樽熟成せず無色透明のまま製品化されるものが多い。

■ブドウ以外でつくるブランデー

・カルヴァドス(アップルブランデー)

りんごを原料に発酵•蒸留してつくるブランデー。
その中でもカルヴァドス(カルバドス)は、フランス ノルマンディー地方でつくられるアップルブランデーを指す。
原料にはリンゴの他に少量の洋ナシを使用する場合もある。

・キルシュ、キルシュヴァッサー

サクランボを原料につくるブランデー。
ブランデーとは違い無色透明で、お菓子の香り付けなどに使用される。
フランスではキルシュ、ドイツではキルシュヴァッサー(キルシュワッサー)と呼ばれる。

・チェリーブランデー、アプリコットブランデー

カクテル素材として見かけるチェリーブランデーやアプリコットブランデーは、ブランデーではなくリキュールに属す。
それぞれのフルーツをブランデーに漬け込み、砂糖を加えて作られる。

カクテルに使用する場合は、チェリーブランデーなら「ヒーリングチェリー」、アプリコットブランデーなら「ルジェ クレームドアプリコット」が有名。

チェリーブランデーとしてキルシュを使っても良いけど、味わいはだいぶ異なる。
ヒーリングチェリーは甘口、キルシュは辛口かな。

ウォッカ

ウォッカとは、穀物などを原料として発酵•蒸留し、炭で濾過した蒸留酒のこと。
クセがなく、日本では主にカクテルの材料として使われる。

原料特有の風味があまり残らないため、様々な原料が使用される。

【ウォッカの主な原料】

  • 大麦
  • トウモロコシ
  • ライ麦
  • ジャガイモ
  • ブドウ

ウォッカの製造は、ロシアやポーランドが特に有名。
中でもポーランド産ウォッカの「スピリタス」は、最も高いアルコール度数のお酒として知られている。
>>【関連記事】勇気があるなら飲んでみて!? 世界の”強い酒”たち

【ウォッカの主な生産国/代表銘柄】

  • ロシア /ストリチナヤ、クバンスカヤ
  • ポーランド /スピリタス、ズブロッカ
  • スウェーデン /アブソルート
  • フランス /シロック、グレイグース、ピナクル
  • アメリカ /スミノフ、スカイ
  • 日本 /ニッカ カフェウォッカ、HAKU(白)

ラム

ラムとは、サトウキビを原料として発酵•蒸留してつくられるお酒のこと。
主に中南米などの暑い地域でつくられる。

■色による分類

ラムは熟成による色から、以下のように分類される。

【ラムの分類(熟成色)】

  • ホワイトラム
  • ゴールドラム
  • ダークラム
・ホワイトラム

無色透明なラム。ウォッカと同じように活性炭などで濾過されたもの。
主にカクテルベースなどで使用される。熟成期間は1年未満。

・ゴールドラム

薄い褐色を帯びたラム。樽熟成期間は3年未満。
味わいに個性が出てくるので、ストレートやロックでも楽しめる。
カクテルにおいても、コーラ割りやホットカクテルなどホワイトラムよりも適しているレシピもある。

・ダークラム

濃い褐色を帯びたラム。樽熟成期間は3年以上。
長期熟成のものはウイスキーのようにストレートやロックで楽しめる。
トロピカルカクテル等では特に指定がない限り、基本的には使われない。

■その他の分類

・アグリコールラム

ほとんどのラムは、サトウキビから砂糖を取り出した残りの糖蜜でつくられるが、一部のラムはサトウキビの絞り汁(ジュース)から直接つくられるものもある。
後者は、アグリコールラムと呼ばれる。

・スパイストラム

スパイストラムは、フルーツやスパイスで風味づけをしたラムを指す。
代表的銘柄の「キャプテンモルガン」は、バニラやアプリコットのフレーバーが特徴的なスパイストラムです。

・カシャーサ(ピンガ)

カシャーサは、サトウキビを原料とするブラジル原産の蒸留酒。
ラムとの違いは、サトウキビの絞り汁を原料とする点や使用する酵素•熟成樽などがあるが、明確な違いというのはなんとも言えない。
そのため、ラムの仲間として考える場合と、全く別の蒸留酒として考える場合の両方がある。

テキーラ

テキーラとは、メキシコの特定地域でつくられるアガベ(竜舌蘭)を原料とした蒸留酒のこと。

■熟成期間による分類

テキーラは、熟成期間により以下のように分類される。

【テキーラの熟成期間】

  • ブランコ(シルバー)
  • レポサド
  • アネホ
  • エクストラアネホ
・ブランコ(シルバー)

熟成期間は無し、もしくは2ヶ月以内。
テキーラ特有の風味が強く、主にカクテルベースとして使用される。

また、熟成させたテキーラ(レポサド等)とブランコを混ぜたものを「ゴールド」と表示する場合がある。

・レポサド

熟成期間は2ヶ月〜1年。
樽由来の甘い香りが多少感じられる。

・アネホ

熟成期間は1〜3年。
ウイスキーのような熟成樽由来の香りがつきまろやかで、ストレートやロックでも楽しめる。

・エクストラアネホ

熟成期間は3年以上。テキーラの中では最も高級品に当たる。

ジン

ジンとは、穀物を原料とした蒸留酒に、ジュニパーベリーなどの香草•スパイスで風味付けしたお酒のこと。
カクテルベースに使用するほか、冷やしてストレートで飲んでも楽しめる。

■タイプによる分類

ジンは、その目指す風味のタイプや製造方法から以下のように分類できる。

【ジンのタイプ別分類】

  • ドライジン
  • ジュネバ
  • シュタインヘーガー
  • オールドトムジン
・ドライジン

主にイギリスでつくられる、無色透明で辛口のジン。
トウモロコシ•ライ麦•大麦麦芽などを主原料にして発酵•蒸留した蒸留酒に、ジュニパーベリー•その他ボタニカルを加えて再蒸留してつくられる。
一般的にジンというとこのドライジンのことを指す。

【ジュニパーベリーとは】
西洋ねずという針葉樹の実。見た目はブルーベリーに似ているが、甘味と苦味の混ざった独特な風味が特徴。
主に乾燥させたものを肉料理の臭み消しや、ピクルスのアクセントなどに使用される。

・ジュネバ(イェネーフェル、オランダジン)

オランダでつくられる、ジンの原型ともいえるタイプのジン。
基本的な製法はドライジンと同じで、大麦麦芽•トウモロコシ•ライ麦を主原料としているが、その中でも大麦麦芽の使用比率が高いのが特徴。
また、蒸留する際に単式蒸留器という原料の風味が残りやすい蒸留方法をとるため、穀物の風味が残りコクのある酒質になる。

・シュタインヘーガー

ドイツでつくられるジン。
他のジンと違い、生のジュニパーベリーを発酵•蒸留した蒸留酒と、穀物の蒸留酒をブレンドさせてつくられる。
風味が強く、ドライジンとジュネバの中間的な性格を持つ。

・オールドトムジン

ドライジンに1〜2%の糖分を加えてつくられるやや甘口のジン。
元は、18世紀のまだ品質が安定していなかった時代に、質の悪いジンに砂糖を入れて飲みやすくして提供されたもの。
現在は、酒の品質が安定したことに加え、辛口志向の影響もあり生産量は激減している。

クラフトジンブームで再注目される可能性あり!(by 辛口が苦手な管理人)

■その他の分類

・スロージン

スロージンは、蒸留酒にスローベリー(スモモの一種)を漬け込み、砂糖を加えて熟成させたお酒のこと。
元々はイギリスの家庭でつくられていた酒で、日本でいう梅酒のような存在。
ジンと名がつくが、日本ではリキュールとして扱われる。甘酸っぱい風味が特徴で、主にカクテル材料として使用される。

酸っぱいカクテルが飲みたかったら、スロージンフィズまたはチャーリーチャップリンがおすすめ!
どちらもスロージンを使ったカクテルです。

焼酎

焼酎とは、アルコール含有物を蒸留した日本の蒸留酒のこと。
様々な原料により製造され、素材特有の風味を持つものもある。

■焼酎の分類

焼酎は、製造方法により以下の分類に大別される。

【焼酎の分類】

  • 甲類
  • 乙類
・甲類(ホワイトリカー)

焼酎の中でも、連続式蒸留器で蒸留し、ライトな風味に仕上げたものを焼酎甲類と呼ぶ。
一般的に原料の風味を残さないウォッカに近いお酒で、酎ハイや果実酒のベースに使用されることが多い。
原料には主に糖蜜や大麦•トウモロコシを使用する。

・乙類(本格焼酎)

焼酎の中でも、原料として米•麦•芋などを使用して、単式蒸留器で蒸留したものを焼酎乙類と呼ぶ。
原料特有の風味が残るのが特徴。主に九州地方などでつくられる。
また、指定された素材を原料につくられた焼酎乙類を「本格焼酎」と呼ぶ場合もある。

■主な焼酎乙類

主な焼酎乙類には以下のようなものがあります。

・芋焼酎

さつま芋を原料とした焼酎。鹿児島県宮崎県で主につくられる。
強めの風味と独特の香りで、やや好き嫌いが別れる傾向にある。

鹿児島産は風味が強く、宮崎産は比較的さっぱりした印象。
初めての人は宮崎県産の芋焼酎から試してみては?

・麦焼酎

大麦を原料とした焼酎。大分県などでつくられる。
焼酎乙類の中では風味にクセがない。

・米焼酎

を原料とした焼酎。熊本県などでつくられる。
米由来の風味が残るため、日本酒に近い味わいになる。

・泡盛

泡盛は、沖縄県でつくられるタイ米を原料とした焼酎の一種。
熟成させるものもあり、3年以上熟成させた泡盛を「古酒(くーす)」と呼ぶ。
独特な強い風味を持ち、好き嫌いが分かれる傾向にある。

沖縄旅行の時に飲むとかなり旨い。
現地の気候と合っているんだろうね。

・その他の焼酎

その他にも有名なものでは、そば焼酎•黒糖焼酎•栗焼酎•ジャガイモ焼酎などがある。

その他の蒸留酒

・アクアビット

アクアビットは、主に北欧でつくられるジャガイモを主原料とした蒸留酒。
キャラウェイやフェンネルなどの香草で香り付けされる。
日本での取り扱いはあまり多くない。

・ピスコ

南米 ペルー原産のブドウを原料とした蒸留酒。
同じブドウの蒸留酒であるブランデーとの違いは、樽熟成させないこと。
そのため無色透明でブドウ由来の香りが強く残る。

・白酒(パイチュウ)

白酒は、中国でつくられる無色透明の蒸留酒の総称。
主にコーリャン(モロコシ)•トウモロコシ•芋などを原料としてつくられる。
アルコール度数が高いものが多い。

混成酒

果実•香草•スパイスなどから香味を移し、糖分を加えるなどしてつくるお酒が混成酒でした。
リキュールの他に、ワインの項で出てきたベルモットやサングリアは混成酒にも含まれます。

リキュール

リキュールとは、一般的には蒸留酒をベースに、果実や香草などの風味を移し、砂糖などを加えて調整したお酒のこと。
製法や香味原料などさまざまな種類のリキュールがあり、カクテルの材料として使われたりそのままストレートで飲まれたりする。

日本の酒税法ではより広義的に捉えているため、チューハイ第3のビールなどもリキュールに分類される。

■リキュールの分類

リキュールは、主な風味•香味原料により以下のように大別される。

【リキュールの分類】

  • フルーツ系リキュール
  • ハーブ系リキュール
  • ナッツ•種子系リキュール
  • 特殊系リキュール
・フルーツ系リキュール

フルーツの果肉•果汁•果皮を主原料とするリキュール。
カクテルにして飲むものが多い。お菓子作りの風味付けなどでも利用される。

特に馴染み深いのは、カシスリキュールピーチリキュールなど。
また、オレンジの果皮を主原料としたコアントローもフルーツ系リキュールに含まれる。

【クレーム•ド•〇〇とは】
EUでは、1リットルあたり250g以上の糖分を含むリキュールの名前を「クレーム•ド•〇〇」としても良いとしている。(※カシスは400g以上)

・ハーブ系リキュール

香草•薬草•スパイスを主原料とするリキュール。中世ヨーロッパでは薬として利用された。
アルコール度数の高いものもあり、主にそのままストレートで飲まれるものも多い。

カンパリもハーブ系リキュールに含まれる。
その他有名なものには、シャルトリューズペルノなどがある。

・ナッツ、種子系リキュール

果実の種子や豆類を主原料とするリキュール。
カルーアアマレットがこれに含まれる。

・特殊系リキュール

クリームや卵などのタンパク質•脂質を多く含む原料を使ったリキュール。
クリームリキュールのベイリーズや、卵を使ったアドヴォカートがこれに含まれる。

備考

※この記事での酒税法に関しては、下記サイトを参考に一部抜粋して掲載しております。

酒税法 | e-Gov法令検索
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