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【度数90%越え】勇気があるなら飲んでみて!? 世界の”強い酒”たち

お酒・BAR
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こんばんは。Bartender’s Legacy管理人のYUICHIです!

前回の記事で微アルコール飲料について書きました。

流行の”微アル”は微量のアルコール、つまりアルコール度数の弱いお酒を指します。
気軽で健康的に飲める微アルも良いですが、世界で一番強い酒というのも気になりませんか?

この記事では、強いお酒にはどんなものがあるかについて書いていきます。

アルコールの強弱

まずはじめに、強いお酒がどのようにつくられるか見ていきましょう。

発酵でアルコールが生まれる

そもそもお酒のアルコールは、麦やブドウなどの原料に含まれる”糖分”が酵母と合わさり発酵することでつくられます。

管理人 YUICHI

アルコール発酵によりつくられるお酒を醸造酒と呼びます。
ワインやビール、日本酒などがこれにあたります。

ワインの原料であるブドウには”糖”そのものが含まれています。
そのため、ブドウ果汁に酵母を加えることで発酵が起こり、比較的簡単にお酒を作ることができます。

【お酒をつくる仕組み①】
・ブドウやサトウキビなどの糖分を含む原料の場合、果汁に酵母を加えることで発酵を行うことができる。
・これを単発酵という。

一方、ビールの原料となる麦には糖は含まれておらず、代わりに”デンプン”が含まれています。
このような原料の場合は、デンプンを酵素によって”糖”に分解してからアルコール発酵が行われるのです。

【お酒をつくる仕組み②】
・麦やとうもろこしなどのデンプンが主成分の原料の場合、はじめに分解酵素によりデンプンを糖質に変えてから発酵を行う。
・これを複発酵という。

発酵によりアルコール分が高まっていくと、酵母の活動が弱まり発酵は自然に停止します。
そのため、アルコール発酵でつくられる醸造酒は、アルコール度数15〜20%が限界です。

管理人 YUICHI

ちなみに、お酒のアルコール成分は、
正式にはエチルアルコール(エタノール)というものです。

蒸留でアルコールは強くなる

お酒のアルコール度数が高くなる仕組みは蒸留という製造過程にあります。

蒸留とは、液体が蒸発する温度(沸点)の違いを利用して、濃度の高い状態で分離することを言います。

管理人 YUICHI

蒸留してつくられるお酒を蒸留酒と呼びます。
ウイスキーやウォッカ、焼酎などがこれにあたります。

【アルコール度数が高くなる仕組み】
・蒸留では、水とエタノール(アルコール)の蒸発する温度(沸点)の違いを利用します。
・水の沸点は100℃、エタノールは約78℃です。
・お酒を加熱していくと先にエタノールを多く含む蒸気が発生する。
・この蒸気を冷却して液体に戻すと、アルコール分が凝縮された液体(蒸留酒)になる。
・ただし共沸という現象により、エタノール単体で蒸発することはなく必ず水との混合物として蒸発する。そのため理論上では、アルコール度数は96%以上には
ならない。

この工程は理科の授業でも扱われるので、覚えている方もいるかもしれないですね。

早い話が、ビール・日本酒・ワインなどの醸造酒を蒸留することで、アルコール濃度の高い別の酒になると言うことです。

管理人 YUICHI

ちなみに、1回の蒸留で最初のお酒の
約3倍までアルコール分を高めることができるそうです。

一般的なアルコール度数

一般的なお酒のアルコール度数をご覧ください。

【醸造酒】
・ビール:5%前後
・ワイン:12〜14%
・日本酒:15%前後
【蒸留酒】
・ウイスキー:40〜50%
・ブランデー:40%
・ジン:40〜47%
・ウォッカ:40〜50%
・ラム:40〜50%
・テキーラ:38〜40%
・焼酎:25%
・泡盛:30〜45%
【混成酒】
・リキュール:それぞれ

【醸造酒】
ビール、ワイン、日本酒は醸造酒という分類で、発酵により生まれたアルコール分を含みます。
全体的に低めのアルコール度数で、多くはそのまま(ストレートで)飲まれます。
また、糖がアルコールに換わる性質から、味わいの甘さとアルコール度数は反比例する。つまり甘口のお酒ほど度数が低く、辛口のお酒ほど度数が高くなる傾向があるということです。

【蒸留酒】
ウイスキー〜泡盛は蒸留酒という分類で、蒸留という工程でアルコール分を凝縮してつくられます。
蒸留を繰り返し行う事で、得られる蒸留酒のアルコール度数はどんどん高まる。
普段口にする一般的な蒸留酒(ウイスキーなど)は、蒸留を2〜3回繰り返してつくられているものがほとんどです。

【混成酒】
リキュールは混成酒という分類になり、ベースとなるお酒にフルーツや香草を漬け込むなどしてつくられます。
ベースに使用するお酒や製造工程がまばらで、アルコール度数も一定ではありません。
例)ピーチリキュール:15%、カルーア:20%、イエーガーマイスター:35% (全てサントリー取扱商品調べ)
飲みやすいフルーツ系のリキュールにはアルコール度数の弱いものが多いですが、歴史のあるハーブリキュールなどではかなり度数の高いものも存在します。

強い酒 TOP5 & 特例で強い酒

ここまで、アルコールが生まれる工程や、一般的なアルコール度数についてみてきました。
ここからは、いよいよ世界の強い酒をご紹介します。前半5つは現時点でのTOP5、後半5つはBARでの取り扱いが多かったり、特殊なケースで強いお酒を挙げています。

【96%】スピリタス

名前 スピリタス
原産国 ポーランド
分類 ウォッカ
アルコール度数 96%

世界最強のお酒は、アルコール度数96%!ポーランドのウォッカ「スピリタス」です。
この世界最強の酒は、蒸留を70回以上繰り返してつくられます。
飲むと痺れや痛みを感じるほどで、また、タバコを吸いながら飲むと口から火が出るとも言われています。
引火性があるので、火気厳禁・取扱注意・よい子はマネしないでね。
現地では、フルーツなどを漬け込んで自家製リキュールを作るために使われたりします。(日本で言う”梅酒”)

管理人 YUICHI

賑やかな男のコたちがスピリタスに挑戦するところを見たことがあります。
一口でノックアウトされてましたね(笑)

【95%】エバークリア

名前 エバークリア
原産国 アメリカ
分類 ウォッカ
アルコール度数 95%

僅か1%の差で世界No.2の強さを誇るのは、アメリカ産のウォッカ「エバークリア」です。
スピリタスに比べて日本での取り扱いはあまり多くなく、私も実物は見たことがありません。
味わいに関しては”ゴム”と表現されるなど、イマイチ評価は高くないようです。
また、パーティー等でのトラブルもあり、米国の一部の州では販売が禁止されているそうです。
どのみち極めて高いアルコール度数なので、火気厳禁・取扱注意・よい子はマネしないでね!

【92%】ゴッチェ インペリアル

名前 ゴッチェ インペリアル
原産国 イタリア
分類 リキュール
アルコール度数 92%

イタリアの修道院でつくられる「ゴッチェ インペリアル」。サフラン由来の黄色い色が特徴的なハーブリキュールです。
そのアルコール度数は92%で、第3位の強さを誇ります。
主に水やコーヒーに数滴垂らして飲まれ、消化不良や車酔い、歯の痛みに効くといわれています。

※画像が用意できませんでした。
商品の詳細はこちらからご確認ください→https://gocceimperiali.it/(イタリア語サイト)

【90%】ノッキーン ポチーン

名前 ノッキーン ポチーン
原産国 アイルランド
分類 ポチーン
アルコール度数 90%

ポチーンはアイルランドの蒸留酒。ポーチンやポチューンと読まれることもあります。
造り方はほとんどウイスキーと同じですが、個人が家庭でつくることも多く、穀物・ジャガイモ・リンゴなどあり合わせの素材でつくられることが多いそうです。
漫画バーテンダーでこのお酒を知った人も多いのでは?(私がまさしくそれ!)
アルコール度数90%は、連載当時(2012年頃)スピリタスに次ぐ世界第2位の強さと紹介されました。

※こちらも画像が用意できませんでした。

【89.9%】ハプスブルグ アブサン

名前 ハプスブルグ アブサン
原産国 フランス
分類 リキュール
アルコール度数 89.9%

アブサンは、ニガヨモギを中心とした薬草で風味づけられるハーブリキュールで、様々なメーカーが製造しています。
アブサンの中でも最も強いと言われているのが「ハプスブルグ アブサン」。
最高 89.9%の製品は、全お酒の中でも第5位の強さです。
アブサンにはその他にも、69%のグランドアブサントや70%のアブサンチェコ等アルコール度数の高い銘柄が多数あります。

【75.5%】ロンリコ151 他

名前 ロンリコ151
原産国 プエルトリコ
分類 ラム
アルコール度数 75.5%

ラム酒の中でも名前に151と付く銘柄がアルコール度数の高いラムです。
この名前は151プルーフと言う意味で、プルーフを2で割ったものがアルコール度数
つまり151プルーフは75.5%ということになります。
スピリタスが現れるまでは世界最強のお酒でした。
ロンリコの他にもレモンハートやバカルディ等のブランドに151の銘柄があります。

管理人 YUICHI

レモンハート151は、私の好きな漫画BARレモンハートの由来となったお酒です!
よければコチラも覗いてみてください→[BARレモンハート好きな人とつながりたい]

【60%】グレンファークラス105

名前 グレンファークラス105
原産国 スコットランド
分類 ウイスキー(シングルモルト)
アルコール度数 60%

一般的に売られているウイスキーの中でも強い部類のボトルとして「グレンファークラス105」があります。BARに置いてあることも比較的高いボトルです。
ここまで読んでくれたあなたは「60%なんて大したこと無い」と思ったかもしれませんね。感覚が麻痺して(笑)

ちなみに名前についてる105は、ロンリコ151で紹介したプルーフと同じものです。
「え、じゃあ52.5%じゃない!?」と思われるかもしれません。
これはややこしい話ですが、プルーフにはアメリカのプルーフイギリスのプルーフの2種類があります。アメリカではプルーフ×0.5がアルコール度数に当たりますが、イギリスではプルーフ×0.571がアルコール度数になります。
つまりグレンファークラス105は、105イギリスプルーフでアルコール度数60%となるわけです。

【60%】どなん 花酒

名前 どなん
原産国 日本(沖縄県)
分類 泡盛
アルコール度数 60%

泡盛は一般的に”強い酒”のイメージがあるかもしれません。
しかし、平均的な泡盛はアルコール度数30%とそこまで強くありません。
それに酒税法の区分として、泡盛は45%以下でつくらなければいけません。つまりアルコール度数46%以上の泡盛は本来つくれないのです。

どなんは泡盛の中でも花酒(はなさき)と呼ばれる特別な泡盛。2020年の改正で、花酒は特例でアルコール度数46%以上でも泡盛と名乗れるようになりました。
花酒には他にも「与那国」「舞富名(まいふな)」の銘柄があります。

【54%】業務用コアントロー

名前 コアントロー
原産国 フランス
分類 リキュール
アルコール度数 54%

カクテル作りでよく使われるコアントローに製菓向けボトルがあるのをご存知ですか?
業務用というだけあって、容量が1000mlと通常より大きいサイズになっています。
また、アルコール度数も通常品が40%なのに対し、業務用は54%と高めに設定されています。
通常よりも使用量を少なくすることができるのでしょうね。

【46%】越後武士

名前 越後武士
原産国 日本(新潟県)
分類 リキュール
アルコール度数 46%

アルコール度数46%で、最も強い日本酒といわれる「越後武士(えちごさむらい)」
しかし酒税法の区分では、日本酒はアルコール度数22%未満と定められている。
こういった関係で越後武士は日本酒と名乗れず、リキュールとして扱われます。
その製法は、純米吟醸酒に米からつくった醸造アルコールを添加してつくられる。”超辛口”本醸造酒とでもいうべきか。
高いアルコール度数のため、冷凍庫で冷やしても凍らない。ジンやウォッカのようにキンキンに冷やして飲むことができる。

【おまけ】消毒用アルコールの度数

ところで、昨今利用する機会がぐんと増えた消毒用のアルコールはどれくらい強いアルコール度数のものなのでしょう?

名前がアルコールそのものだし「純度100%のアルコールじゃないの?」と考えたでしょうか。(私はそう思ってました)

日本では、消毒用アルコールのアルコール度数は、76.9~81.4%と決められています。
それ以上でも以下でも効果が薄れるそうです。

※詳細はこちらのページにまとめられていました→https://www.chinoshiosya.com/news/feature/alcohol-disinfection_effect-by-concentration/(株式会社地の塩社HP)

管理人 YUICHI

そう考えると、これまで紹介したお酒たちがいかに強烈かわかりますね。

まとめ:強い酒の取り扱いには注意が必要

今回は、世界の強いお酒に関してご紹介しました。

特にアルコール度数が60%を超えるようなお酒は、引火する危険性が高く、飲むタイミングや保管の際に注意が必要です。
※しかし、フランベのようにどんなお酒でも熱すれば火がつきますのでご注意ください。

強いお酒を試してみる場合には、
①少量ずつ飲む
②水を一緒に飲む
③空腹時を避ける
などの配慮が大切です。

また、他人に無理矢理飲ませたり、罰ゲームとして扱うのは本当にやめてください。バーテンダーが一番悲しい瞬間です。

遊び半分で手を出してはいけないものがこの世界にはいくつかあります。

強い酒もきっとその1つなのでしょう。

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