「バーテンダーやる気なら、まず”バーテンダーズマニュアル”と”名酒事典”を買え!」
バーテンダーとして正社員登用が決まった時、同業の先輩に言われました。
バーテンダーになると、お酒に関する最新情報に触れることは増えますが、
ベースとなる知識を得られるデータベース的な存在になってくれるのが、この名酒事典なのです。
当時の私はどちらも所属店舗に置いてあったので自分では購入しませんでした。
※その後バーテンダーズマニュアルは他人から貰いました。
お酒の勉強を再開した今、名酒事典を1冊手元に置いておきたくなったのですが、
本屋さんで探してもなかなか見つかりませんでした。
「じゃあネットで購入しよう!」と思いましたが、2021年の最新版は見当たりません。
しかも中にはレビューで酷評されているものもあります。
この記事では、世界の名酒事典の最新刊は何年?レビューで酷評されているけどなんで?といった疑問にお答えしつつ、実際にどのようなものを購入すべきかについて解説します。
世界の名酒事典とは
みなさんは『世界の名酒事典』という本をご存知でしょうか?
講談社が(ほぼ)毎年発行している、ウイスキーからワイン、ビールに中国酒まで様々なお酒がカラー写真とともに紹介されているカタログのような本です。
新たに発売されたお酒が追加され、終売になったお酒が削除されて、
内容が更新された新刊が毎年11月に発売されています。
掲載されたお酒の種類は1万本を超える年もあり、お酒好きにとってはパラパラとページを眺めるだけでも幸せな気分になりますよね??
お酒について調べられる辞書的なものが欲しい人や、新たなお酒と出会いたい人にとっては、信頼のある情報源としてバイブルになってくれることでしょう。
事実、1979年(80年度版)の創刊から、お酒のプロや愛好家に指示され続けているロングセラーシリーズとなっています。
最新刊は2019年版(2021/12時点)
結論から申し上げますと、世界の名酒事典の最新刊は2019年版です(2022年1月時点)
【2021年12月 追記】
例年11月に発売されていた世界の名酒事典ですが、今年も新刊の発売はありませんでした。
2018年11月に発売して以来、約3年間新刊が出ていませんでした。
3年前の本となると、本屋さんに在庫がなくても不思議ではありません。
ネットでは中古等でも売られていますが、最新の2019年版はむしろ値段が上がっているようです。
(3年前の本を”最新”と呼ぶのかも微妙ですが•••)
かといって古いものは安くなっているのかというと、そうとは言い切れません。
古い名酒事典には、今は終売になってしまったその当時のお酒も載っており、そういった情報を得られる資料は希少なため、場合によってはプレミア価格で取引されています。
そもそもの元値が本としては高いため(3,000〜5,000円)、慎重に選びたいところですよね。
レビューが悪いけどなんで?
Amazonなどで調べると、悪い評価が目立ちます。
そのほとんどは掲載数が少ないことや、内容の充実度に関することです。
これらの原因は、主に2014年のコンセプト変更に伴うものです。
どういうことかというと、
2013年以前の名酒事典は、世界中のお酒を網羅的に紹介することを目的としていました。
それが、年々増え続けるお酒の種類により掲載数がどんどんと膨らんでいき、本のサイズが電話帳のようになってしまったのです。
そこで、2014年版以降からは、お酒のプロが厳選して数を絞るコンセプトへと変更され、
その結果、掲載されるお酒の数が大幅に少なくなりました。
各年度別の掲載数とページ数を、下記表にまとめています。
2014年を境に、大幅にボリュームダウンしていることがわかります。
創刊時の掲載数は2400本、そこから年々数を増やし1998年には掲載数1万本を超えます。
2004年に1万2847本とピークを向かえ、2013年までは1万本以上の掲載をキープしていました。
前述のリニューアルが2014年に行われてからは、掲載数2500本前後となっています。
また、それに伴いビールと中国酒の掲載がなくなりました。
2013年以前は、国内で取り扱いのあるお酒はすべて調べられるまさしく”事典”の立ち位置だったため、
当時を知る人にとっては、現在の掲載数は少し物足りなく感じるのかもしれません。
2015年以降は電子書籍もあり
2015年以降の世界の名酒事典シリーズは、電子書籍版も取り扱っています。
各年の書籍版 名酒事典を7カテゴリに小分けし、価格を抑えた分冊版が電子書籍となっています。
※2019年 書籍版:3,850円、電子書籍版:各220〜440円
7カテゴリは以下の通りです。
- ウイスキー&ブランデー編
- スピリッツ&リキュール編
- フランスワイン編
- イタリア&ドイツワイン編
- スペイン、その他ヨーロッパ&南米ワイン編
- アメリカ、オセアニア&日本ワイン編
- スパークリング、シェリー&ポート編
内容は書籍版と変わらないので、書籍と電子の両方をそろえる必要はありません。
しかし、大きくて重たい名酒事典を、スマホやタブレットで持ち運べるのは便利ですよね。
また、カテゴリ別に販売されているので、ワインだけやウイスキーだけなど興味に合わせて購入でき、その分価格を抑えることができるのも魅力の一つです。
なお、紙の書籍で分冊版は発行されていません。
何年版を買うべきか
以上のことから、結局どの名酒事典を買えばいいのか解説します。
これから勉強するなら 2019年版(書籍)
名酒事典は当然、新しいものほど最新の情報が掲載されています。
古い名酒事典に掲載されているお酒には、今は手に入らないお酒も多数含まれています。
そのため、これからお酒を学びたい人にとっては、手に入りやすいお酒が中心となる最新版の名酒事典(2019年版)がおすすめです。
特に紙の書籍であれば、パラパラとめくって見るだけでたくさんのお酒の情報に触れられ、
知識が自然と身についていきます。
久しぶりに購入するなら 電子書籍を検討
過去の名酒事典を持っていて、新しいものの購入を考えているのであれば、
2019年の電子書籍版の購入を検討してみてください。
電子書籍であれば、本を置くスペースも必要なく、スマホやタブレットで持ち運びもラクチンです。
文字が細かく映るため、kindleの無料サンプルなどで確認してみて
自身の利用方法に合うようであれば、電子書籍での購入も選択肢に入ります。
紙の書籍と内容は重複しているため、二重で揃えてしまわないようご注意ください。
他、全7冊あります。
新旧さまざまなお酒を知りたいなら 2013年版
コンセプトが変わり、掲載点数が大きく下がる前の最後の一冊が2013年版です。
最新の2019年版が掲載数2500本なのに対して、
2013年版では、合計1万300本のお酒が紹介されています。
まだまだ現役のお酒も多いので、全体像を把握するのにおすすめです。
中古本はたまに安く出回っているので、コスパも抜群です。
巻頭特集で選ぶ
名酒事典ではお酒のカタログの他に、年度によって異なる巻頭特集が収録されています。
各年度のトレンド情報が中心なので、当然最新のもののほうが読むべき優先順位は高いです。
しかし、過去の潮流を学びなおすには古い版にも価値があります。
各号の特集に関しては下記図にまとめました。
私は特に下記3つの特集が気になりました。
- 2001年「エジプトワイン現地取材」
- 2005年「焼酎ブーム分析」
- 2012年「ボトルとラベルの変遷史」
気になる特集記事で選んで購入してみるのもいいかもしれませんね。
※ちなみに、表紙のデザインは2003年に変更されました。
2003年以降はその年から新たに掲載されたお酒が表紙に並んでいます。
まとめ
今回は『世界の名酒事典』の掲載数の変遷や巻頭特集について解説しました。
お酒好きな方にとっては、一冊手元にあると便利です。
最新情報を仕入れるのもよし、膨大なデータに目を通すのもよし。
電子書籍でいつでも持ち歩くのもまたよし。
気になった一冊をぜひ手に取っていただけましたら幸いです。
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